埼玉大学 理学部 / 大学院理工学研究科
生体制御学科 / 生体制御学プログラム
Department of Regulatory Biology, Saitama University

井上晋一郎 准教授

井上 晋一郎 Inoue Shinichiro ー 准教授 ー

■ 植物環境生理学

  • 大学院理工学研究科生命科学部門生体制御学領域 所属
  • 博士後期課程理工学専攻生命科学コース 担当
  • 博士前期課程生命科学系専攻生体制御学プログラム 担当
  • 理学部生体制御学科 担当
研究について

 植物は種子として生まれ落ちて大地に根を張り、その場から移動せずに成長して一生を過ごします。このような点から、一般に植物は動かない印象を持たれていますが、マメ科植物の葉の運動や、気孔開閉鎖運動、葉緑体運動のように、実は器官・細胞・細胞内小器官のレベルで様々な運動を観察できます。これらの運動はすべて光によって駆動されるという共通点があり、植物の光環境応答を担っています。
植物は太陽光を用いて光合成を行い生命活動を営みますが、地球上には様々な光環境が存在し、植物が光合成を行いにくい場合もあります。そのため、マメ科植物の葉の運動と葉緑体運動は葉や葉緑体の光受容効率を高め、気孔開口は光合成の基質であるCO2の葉の内部への取込みを促進することで、光合成の効率を高めるようにサポートしています。
 このように、マメ科植物の葉の運動と気孔開口運動はダイナミックで面白いため、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンを魅了した応答なのですが、140年以上経った今でも、これらの運動メカニズムは完全には解明されていません。私は、気孔開口運動とマメ科植物の葉の運動について、運動メカニズムと生理的役割を明らかにしようと研究を進めています。

研究業績